金相場が10日の取引で過去最高値を更新した。トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を10日に発表すると述べたことで、世界の金融市場で先行き不透明感が広がった。
金スポット価格は1オンス=2895ドルを超え、最高値を記録。先週は2.2%上げていた。トランプ政権が打ち出す通商政策を巡る懸念から、安全資産需要が高まった。
「金は依然として好調を維持しており、その勢いを止めるものはほとんどない」とウエストパック銀行のアナリスト、リチャード・フラヌロビッチ氏はリポートで指摘。
「本質的に予測不可能で破壊的なトランプ大統領は、同盟国にも敵対国にも関税の脅威を突き付け、ドルから離れ準備通貨の多様化を図るBRICS加盟国に対しては100%の関税を課すと威嚇している。これらは全て金の安全資産としての魅力を高めることを示している」とコメントした。
中国人民銀行(中央銀行)は1月、3カ月連続で金保有を拡大。準備資産の分散化を継続的に進めていることを示した。
中国はまた、大手保険会社10社に資産の最大1%を金に投資することを初めて認める試験的プログラムを発表。これは、最大2000億元(約4兆1700億円)に相当する可能性があると民生証券がリポートで分析した。
原題:Gold Rises to Record High as Trump Tariffs Spur Haven Buying (抜粋)
[元記事はこちら](https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-02-10/SRGIRVT0G1KW00)